坂の上の雲

ビジネス雑誌で日本の成功者が読んでいる小説の第1位だったので読み始めました。

50年以上も前に書かれた1冊あたり約400ページ全8巻の大作ですが、その内容は非常に濃く現代の政治やビジネスに通じるところが多々あり非常に感銘を受けました。

歴史を学ぶ

この小説は1904年から1905年にかけての日露戦争が舞台になります。

作家の正岡子規、陸軍騎兵隊の秋山好古、海軍の秋山真之を中心に当時の時代背景や人々の暮らし、政治の考え方、外国の思惑など綿密な下調べと時代考察を基に書かれているので描写が非常にリアルで物語にどんどん引き込まれていきます。

また、日本をひいきしたり称賛したりすることなく事実に基づいた公平な価値観で書かれていて非常に好感が持てます。

時代が変わっても変わらないこと

この本を読んでいて感銘を受けた名言は多々あります。

私は都度Twitterに呟きながら自分の中に名言をストックしていきました。

時代が変わっても組織の運営の基本は変わらないと感じたのは以下の名言です。

作戦目的というのは一行か二行の文章で足りるのだ。るる説明してもなおわからないような作戦目的というのは、もうそれだけでろくなものではない。

現代の組織は色々なデータやシミュレーションの上で成り立っていて、それだけで複雑怪奇になりがちな上に更に説明を加えて余計にわかりにくくしている節があります。

そんな現代に通じる名言として紹介しました。

時代を超えた組織論

もう一つ印象的だった名言です。

名将というのは、士気を一変させて集団の奇蹟をとげる者をいうのであろう

組織の長たるものは自らの責務を全うしてこそ、その存在価値が会社や世間から認められるものだと思います。

組織が人の集まりである以上、それを束ねる長の役割の重要性が如実に表れていると感じました。

まとめ

私自身が特に感銘を受けた名言を紹介しましたがこれ以外にまだまだ多くの心に残った名言があります。

人それぞれどこに何を感じるのかは千差万別だと思いますが社会人、特に会社に属している人には納得できたり、昔から原理原則は変わっていない事を実感できる小説です。

歴史が苦手とかよくわからないといった方でもなんとなく見たことのある名前や地名が出でくるので馴染みやすいと感じます。

経営職の方から一般社員の方まで幅広く興味を持って読んでもらえると幸いです。